生活保護は遺産相続できる？放棄は？隠れて相続したらバレる！手順を解説

むしろ、生活保護受給者が遺産相続を放棄することは原則認められていません。

この記事では、生活保護受給者の遺産相続の手順から注意点、遺産相続を放棄できない理由まで分かりやすく解説します！

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生活保護受給者でも遺産相続できる？

生活保護を受給していても、
遺産相続できます。

しかし遺産相続をした後に、保護が変更・停止・廃止される可能性はあります。

生活保護が停止・廃止される遺産相続の明確な基準額は定まっていません。

遺産相続を含む臨時的な収入を得てから「6ヶ月以上生活保護を必要としない状態が続く」と見られた場合は廃止されるケースが多いです。

相続してから…	生活保護は？
6ヶ月以内に再度 生活保護を必要とする状態	停止される (再開の見込みあり)
6ヶ月以上生活保護を必要としない状態	廃止される

例）毎月10万円受給＋遺産相続で100万のケース
10万円×6ヶ月＝60万円…6ヶ月の保護費
→100万円を受給することで、6ヶ月以上
保護を必要としない状態とみなされる！

生活保護の受給額については以下の記事をご覧ください▽

重要なことは、遺産相続をする場合はその旨と相続する額をケースワーカーにきちんと報告することです！

生活保護の廃止・停止については以下の記事でもご覧いただけます▽

むしろ生活保護受給者は遺産相続は
放棄できない

生活保護受給者が遺産相続を放棄することは原則できません。しかし例外として放棄が認められるケースもあります。

ここでは、生活保護受給者が遺産相続を放棄できない理由や、例外として遺産相続を放棄できるケースについて解説していきます。

生活保護受給者が遺産相続を放棄できない理由は？

生活保護者が遺産相続を放棄できない理由は
「資産や個人の能力など、利用できるものは全て活用しなければならない」からです。

保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる

生活保護法第4条より

遺産も例外ではなく、現金・預貯金・不動産など相続した財産はすべて
「資産」として扱われます。

もし遺産として、持ち家や車を相続した場合は、売却する必要があるケースが多いです。

この規定により、遺産相続が発生した場合は原則として相続し、生活保護費の減額や生活の維持に活用することが求められます。

例外として放棄できる遺産とは？

生活保護受給者が放棄できる遺産として例外なケースが、「売却しようとしても著しく困難な場合」です。

売却できない程劣化した家屋や山畑などが該当します。

この場合、相続することで生活がより困窮する可能性があるため、福祉事務所も相続放棄を認める場合があります。

相続放棄を検討する場合は、必ず福祉事務所に事前相談し、適切な手続きを踏みましょう。 独断で判断せず、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

生活保護者が遺産相続する際の注意点

生活保護受給者が遺産相続を行う場合、通常の相続手続きとは異なる特別な注意点があります。

ここでは、生活保護受給者が遺産相続する際の注意点について解説していきます。

①遺産は収入や資産としてみなされる

相続により取得した遺産は、
生活保護法上では「収入」または「資産」として取り扱われます。現金や預貯金は収入として、不動産や株式などは資産として認定されます。

相続した遺産の金額や価値によって、生活保護費の減額や一時停止の措置が取られる可能性があります。

特に現金や預貯金の場合、その月の生活保護費から差し引かれることが一般的です。

不動産を相続した場合は、その不動産の活用方法について福祉事務所と相談し、売却または有効活用を検討する必要があります。

②遺産相続によって生活保護が廃止になる可能性がある

相続した金額や価値が大きかった場合、生活保護が廃止になる可能性があります。

現金や預貯金が最低生活費の概ね6か月分を超える金額があると、生活保護の廃止が検討されます。
生活保護の廃止に関する一般的な基準はこちら△

ただし、具体的な基準は地域や世帯構成によって異なるため、福祉事務所での確認が必要です。

生活保護が廃止された場合でも、遺産を使い切って再び困窮した際は再申請が可能です。

ただし、再申請時には改めて資産調査や生活状況の確認が行われるため、適切な遺産の管理が重要になります。

③遺産相続をする場合は、証明資料を提出する必要がある

生活保護受給者が遺産相続する場合は、
必ずケースワーカーや福祉事務所に申告しなければなりません。

その際に、申告の内容を証明する資料として、相続に関する書類などの提出を求められることがあります。

遺産相続を隠して申告しなかった場合は、不正受給とみなされ、既に支給された保護費の返還や徴収の対象となる可能性があります。

遺産相続する場合は、必ずケースワーカーや福祉事務所に報告しましょう！

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生活保護受給者が隠して遺産相続…バレたらどうなる？

生活保護受給中に遺産相続を隠すことは、法的に重大な問題となります。バレた場合の罰則は非常に厳しく、金銭的な負担だけでなく、社会的な信用も失うことになります。

生活保護費の返還を請求される

遺産相続を隠していたことがバレた場合、相続時にさかのぼって生活保護費の返還義務が生じます。

隠していた期間中に受給した保護費の全額またはそれ以上の返還が求められます。

返還義務は相続した遺産の価値だけでなく、隠していた期間の長さによっても左右されます。 長期間にわたって隠していた場合は、より多額の返還が求められる可能性があります。

詐欺罪の疑いで逮捕される

遺産相続を意図的に隠していた場合、詐欺罪に問われ、逮捕されるケースもあります。特に、虚偽の申告を継続していた場合は、悪質性が高いと判断されます。

同世帯で生活保護を受給していた家族が死去したのにも関わらず申告せずに、亡くなった元受給者の分の生活保護費も受給し、詐欺の疑いで逮捕された事件も実際にあります。

市によると、男は７０代の母親と２人暮らしで、平成２４年１２月から生活保護を受給していたが、母親の死後も２人分の保護費を受け取っていたという。２６年１０月～２７年１２月の保護費計約６万９千円をだまし取られたとして、告訴状を出した。

引用：『産経新聞』(https://www.sankei.com/article/20160107-ZHLG5QLA4RMXPERC4ILRZHGWAE/)

刑事処分を受けた場合、前科が付くだけでなく、社会復帰にも大きな影響を与えることになります。 就職活動や住居の確保など、様々な場面で不利益を被る可能性があります。

遺産相続などの不正受給は必ずバレます！現在の調査体制では、遺産相続を隠し続けることは実質的に不可能です。

遺産相続をする場合は、必ず福祉事務所やケースワーカーに申告しましょう！

【生活保護】正しい遺産相続の手続き方法

生活保護受給中に遺産相続が発生した場合、隠すのではなく、適切な手続きを行うことが最も重要です。

遺産を相続する場合は、速やかに福祉事務所に報告し、適切な手続きを行う必要があります。隠さずに正直に報告することで、信頼関係を維持できます。

相続が発生したことを知った時点で、できるだけ早く福祉事務所に申告しましょう。

【生活保護×遺産相続】
この記事のまとめ

生活保護を受給していても、遺産相続できます。

しかし遺産相続することによって、生活保護内容が変更になったり、停止・廃止されたりする可能性はあります。

最も重要なのは、遺産相続をする際には必ずケースワーカーや福祉事務所に申告することです。

隠していた遺産相続がバレると、最悪の場合詐欺罪で逮捕される可能性もあります。

適切な手続きを踏むことで、相続放棄という選択肢もあり、法的な問題を回避しながら生活保護を継続することが可能です。

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生活保護の大きなメリット

生活保護には、大きなメリットが以下のように2つあります。

メリット① お金に悩まなくて済む

生活保護を受給する1つ目にして最大のメリットが、お金に悩まなくて済むことです。

以下は、生活保護を受けることで無料で提供されるサービスやものの例です。

このように、基本的な最低限度の生活を送る上で必要となる費用は全て国が負担してくれます。

メリット② 人生を再スタートさせるための時間ができる

二つ目の大きなメリットが、生活保護を受けることによって人生を再構築するための時間的余裕が生まれることです。

そのため、生活保護脱却後の人生設計のための資格勉強や、自分の人生を見つめ直すための時間が大いにあるのです。

生活保護を受給していた神奈川県在住のH.Iさんは、生活保護期間中に宅建士の資格を取ることに成功し、今では立派に自立した生活を送っています。

自分の人生を再スタートさせるためにも、一度生活保護を受けるのも一つの手なのです。

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生活保護の遺産相続に関するよくある質問

生活保護受給者は少額の遺産でも申告は必要？

はい、金額の大小に関わらず、遺産相続はすべて福祉事務所への報告が必要です。

数万円程度の少額であっても、隠していることが発覚すれば不正受給として処罰される可能性があります。

生活保護で遺産相続放棄をしたらバレる？

はい、生活保護で遺産相続放棄をしたらバレる可能性は高いです。

相続された財産の有無や事実は、福祉事務所による調査で判明することが多いです。

「生活保護を受給し続けたいから隠して遺産相続を放棄しよう」とすると、生活保護法違反の疑いで保護内容が変更・停止・廃止され得る可能性もあります。

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