【体験談】貯金3万円、食事は1日1回。50代男性が生活保護を決意するまで

生活保護は制度として知っていても、「本当に使えるの？」「周囲に知られない？」という不安で一歩踏み出せない方が多いのが現実です。

今回は、当社サービス「ほごらんど」を利用し、実際に生活保護の適用を受けられたKさんに生活保護を受ける前と受けた後の状況について伺いました。同じように申請を迷っている方にとって、きっと参考になるはずです。

ほごらんどの支援に対する感想

貯金残高3万円…追い詰められた日々

貯金残高3万円。通帳を見るたびに胸が苦しくなりました。体調不良で働けない日が続き、家賃7万円の支払いも厳しくなった時、頭をよぎったのは「生活保護」という言葉でした。

でも正直、「そこまで落ちぶれたくない」「周りにバレたらどうしよう」という気持ちが強くて、夜中にスマホで検索しては、結局何もできずにいました。

食事は1日1回、電気代を節約するために真っ暗な部屋で過ごす日もありました。「まだ大丈夫、まだ大丈夫」と自分に言い聞かせていましたが、心の底では限界を感じていたんです。

きっかけは突然の体調悪化

転機は、ある日突然のめまいで倒れたことでした。救急車で運ばれた病院で「しばらく安静が必要」と告げられ、医療費の請求額は3万5千円と貯金では払えない状況でした。

それまでは「体調が良くなれば働ける」と思っていましたが、医師からは「無理をすると長期間働けなくなる可能性がある」と言われました。アルバイトも辞めざるを得なくなり、収入は完全にゼロになりました。

家族は年金生活で支援できず、友人には恥ずかしくて言えませんでした。家賃の催促状が届いたとき、やっと「もう選択肢は残されていない」と悟りました。

一番大きな悩み：「働けるのに甘えているのでは？」

一番私を苦しめたのは「生活保護なんて甘えでは？」という罪悪感でした。ネットで生活保護について調べるたびに出てくる批判的なコメントを読んで、「自分もそう思われるのか」と怖くなっていました。

特に辛かったのは、SNSで見かける「若いなら働けるでしょ」「税金の無駄遣い」といった投稿でした。見た目は健康そうに見える自分が、本当に支援を受ける資格があるのか分からなくなっていました。体調不良といっても目に見えない症状が多く、「仮病だと思われるのでは」という不安もありました。

夜中に何度も目が覚めて、「このまま受給したら、一生後ろめたい気持ちで生きていくことになるのではないか」「一度受けたら、もう普通の生活には戻れないのではないか」と考えて眠れませんでした。

「働かざる者食うべからず」という言葉が頭から離れず、食事を抜くことで「少しでも社会に迷惑をかけないように」と考えている自分がいました。今思えば、そこまで自分を追い詰める必要はなかったのですが、当時は本当に苦しかったです。

背中を押してくれたのは ほごらんど

正直、最初から福祉事務所に行くのは怖かったんです。「冷たくされたらどうしよう」「恥をかくんじゃないか」――そう思うと、なかなか足が前に進みませんでした。そんな私の背中を押してくれたのが「ほごらんど」への相談でした。

匿名・無料で話せると知り、思い切って連絡してみたところ、担当の方が丁寧に話を聞いてくれました。「その状況なら生活保護を受けられる可能性が高いですよ」「役所ではこういう流れになりますから大丈夫です」と説明してもらい、不安がだいぶ和らいだのを覚えています。

気持ちが楽になった福祉事務所での一言

実際に窓口の職員さんに現状を説明すると、予想していた冷たい対応ではなく、とても親身になって話を聞いてくれました。

「生活保護は恥ずかしいことではありません。これは憲法で保障された国民の権利です。困った時に使うために、あなたもこれまで税金を納めてきたんですよ」

この言葉を聞いた時、肩の荷がすっと軽くなりました。「権利」という言葉で、自分を責める気持ちが少し楽になったんです。

さらに職員さんは「体調を崩して働けない状況は、あなたの責任ではありません。まずは安心して治療に専念して、体調が戻ってから自立を考えればいいんです」と言ってくれました。

その日の帰り道、久しぶりに空が明るく見えました。「支援を受けることは甘えではなく、回復するための手段なんだ」と考えられるようになったんです。それまで「生活保護=人生の終わり」だと思っていましたが、「人生を立て直すためのスタートライン」だと捉え方が変わりました。

ついに申請へ…不安と期待の入り混じった気持ち

福祉事務所での相談から3日後、必要書類を揃えて正式な申請に向かいました。前日の夜は緊張で眠れませんでしたが、「これで少しでも安心できるなら」という気持ちの方が強くなっていました。

申請書類に記入しながら、改めて自分の状況を客観視できました。家賃滞納、医療費未払い、食費を切り詰めた生活…数字で見ると、確かに支援が必要な状況だったんです。

書類を提出した瞬間、「やっと一歩踏み出せた」という安堵感に包まれました。まだ審査結果は分からない状況でしたが、一人で抱え込んでいた重荷を、やっと誰かと分かち合えたような気持ちでした。

受給決定の知らせ…涙があふれました

申請から2週間後、福祉事務所から「受給決定」の連絡がありました。電話を切った後、自然と涙があふれてきました。安堵、感謝、そして「これでやっと人間らしい生活ができる」という希望が一気に押し寄せてきたんです。

まず感じたのは、医療費の心配をしなくて良いという安心感でした。体調が悪くても「お金がないから我慢しよう」と考える必要がなくなり、心の底から安らぎを感じました。

家賃も代理納付してもらえることになり、「来月も住む場所がある」という当たり前のことが、これほどありがたいものだとは思いませんでした。

食事も1日3回、栄養バランスを考えて取れるようになりました。久しぶりに野菜や肉を買い物かごに入れた時、「悩んでいた時間がもったいなかった」と心から思いました。もっと早く相談していれば、あんなに苦しい思いをしなくて済んだのにと。

今は体調も回復、将来への希望も見えてきました

受給から半年が経った今、体調も少しずつ回復してきています。安定した生活の中で治療に専念できたおかげで、医師からも「順調に回復している」と言われました。

生活の基盤が安定したことで、心にも余裕が生まれました。図書館で資格の勉強をしたり、ハローワークの職業訓練の情報を集めたりと、将来に向けた準備も始めています。

また、ほごらんどからは定期的に食料のサポートもいただき、安心して日々を過ごせるようになりました。 栄養のある食事を取れることで体調の回復も早まり、前向きに次のステップを考えられるようになったと思います。

受給したことで「人生が終わった」のではなく、むしろ「新しいスタートを切れた」と感じています。無理をして体調を悪化させるよりも、一度しっかりと立ち止まって、健康を回復させてから次のステップに進む方が、結果的に社会復帰も早いのではないかと思います。

同じ悩みを持つあなたへ

もしあなたが今、私と同じように「生活保護を受けるべきか」悩んでいるなら、一人で抱え込まないでください。私も最初は「恥ずかしい」「甘えている」と思っていましたが、実際に相談してみると、想像していたような冷たい対応は全くありませんでした。

大切なのは、プライドよりも自分の命と健康です。支援を受けることは権利であり、決して恥ずかしいことではありません。

体調が悪い時は無理をせず、まずは安心して治療に専念することが、結果的に早い社会復帰につながります。一時的な支援を受けることで、長期的にはより良い人生を歩めるはずです。

勇気を出して、まずは相談してみてください。きっと新しい希望が見えてくるはずです。

あなたも匿名・無料で相談できます

私と同じように悩んでいるあなたへ。一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみませんか？ほごらんどでは、匿名・無料で生活保護に関する相談を受け付けています。

「受給できるかわからない」「どこから始めればいいかわからない」そんな不安も、経験豊富な相談員が丁寧にお答えします。

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